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三上洋右市議の新春対談 〜私はこう考える〜

2007年1月

「 子どもとお年よりは社会の宝、国の宝 」安定・安心の年金制度、安心して子どもを育てられる環境づくりに全力 聞き手:札幌市豊平区在住 高橋ひろみさん

政治の役割は国民・市民が安心して暮らせる仕組みづくり

高橋:明けましておめでとうございます。

三上:おめでとうございます。今日はよろしくお願いします。

高橋:こちらこそよろしくお願いします。今日は、私たちの代表として活躍している三上さんに、市政についておうかがいしたいと思います。

三上:どうぞ、何でもどしどし聞いてください。

高橋:それではまず、私たち主婦には、政治というのはちょっと遠い存在なんですが、そもそも政治の役割とは何なんでしょうか。

三上:いきなり難しい質問から来ましたね(笑)。簡単に言ってしまえば、いかにして国民・市民が安心して暮らせる仕組みを、安定的につくるかということが政治の果たすべき役割だと思います。

高橋:安心できる暮らしといえば、今、少子高齢化と人口減少が、深刻な問題となっていますね。

三上:私は、ずっと「子どもとお年よりは、国の宝、社会の宝」と言ってきました。子どもは国の将来を担う存在であり、お年よりは今日の社会を築くのに貢献してきた人たちで、どちらも大切にしなければならない宝物のような存在です。しかし、少子高齢化が進む中、安心して暮らせるという政治の基本が崩れつつあり、生活に不安を感じる人々が増えています。特にお年よりが一番心配しているのが、健康問題と年金など社会保障制度のことだと思います。

高橋:確かに、今後、年金制度が行きづまるという話を聞きますが。

三上:生まれてくる子どもの数が減少しているということは、特に、支える側と支えられる側のバランスによって成り立っている年金制度に大きな影響を及ぼします。日本の現在の合計特殊出生率は一・二五、札幌は一を切って〇・九八です。このままの状態が続けば、およそ五十年後には現在約二割を占める六十五歳以上の高齢者の割合は四割弱まで増えます。このため、現在、三人で一人のお年よりを支えていたのが、三人で二人を支えなければならない社会になります。これでは、年金制度が立ち行かなくなるのは明らかです。

人口減少時代に備えた生活・社会環境の再整備を

高橋:子どもを大事にし、育てやすい社会をつくることで避けられるのではないでしょうか。

三上:それも大切なことですが、もっと広く経済や社会のシステムを人口減少と超高齢社会に合った制度に、全面的に設計し直す必要があります。たとえば国民年金は、賃金や労働力人口といった社会全体の保険料負担能力に合わせて給付額を調整する「マクロ経済スライド」方式へと改められるなど将来的に持続可能な制度へと改正されました。しかし、定年制度の見直しといった雇用システムや教育制度など、見直さなければならないことは山ほどあります。

高橋:年金にしても教育にしても、国で議論が行われていることで、札幌市が独自にできることは少ないのではないでしょうか。

三上:確かに日本全体の制度の見直しは、国の仕事ですね。しかし、私たち自民党議員は政府与党の立場にありますので、さまざまな機会を通じて地方の声を国に届けていますし、実際に国と地方の密接な連携のもとに種々の改革に取り組んでいます。
 また、札幌市が独自に取り組まなければならないこともたくさんあります。たとえばお年よりにとって冬の除排雪は非常に切実な問題です。みなさんのお話をうかがっていると、一様にお話されるのは除雪の苦労の話です。特に昨冬は除雪体制の不備から、市民のみなさんに大変なご苦労をおかけしましたが、今年はそのようなことにならないよう、しっかりした除雪体制を組ませます。
 この除雪問題も長期的に見れば、高齢化の進行によりニーズが高まる一方で、人口減少に伴って税収も落ち込んでいくと、今のサービス水準を維持できるかどうかが問題となってきます。

高橋:市民一人ひとりの負担が増えていくことになるのですか。

三上:このままでは、負担増かサービスの低下か、どちらかを選ばなければならなくなります。これは道路や公園、上下水道の維持管理、ごみ処理など行政サービスのすべてに言えることです。このため、いかに効率的なサービス提供体制を構築していくかは、札幌市が独自に考えていかなければならない課題です。

少子化の歯止めのための子育て負担の軽減

高橋:社会制度を超高齢社会に合ったものに変えるということは、子どもが独立して家を出た後に、老夫婦が住みやすいように家をリフォームするような感じですね。

三上:近いですね(笑)。人口減少時代に備え、豊かな暮らしを支える生活環境の再整備と、社会の活力維持のための仕組みづくりを進めることが非常に重要です。
 しかし、それと同時に少子化の進行に歯止めをかけるため、安心して子どもを生み育てられ、子どもが人々や社会を豊かにすることを実感できる社会環境整備を進めることにも力を入れなければなりません。いわば、息子夫婦が孫を連れて来やすい家にするといったところです。息子が「こんなに住みやすいなら、こっちで一緒に暮らそうか」なんて言ってくれるとしめたものです(笑)。

高橋:「子どもとお年よりは、家の宝」ですね(笑)。

三上:ただ、現実はそう簡単ではなく、少子化問題は、親となる女性自身が子どもを生み育てることを選択しなくなっているという、根源的な問題を抱えています。

高橋:女性の社会進出と晩婚化、非婚化の問題ですね。

三上:現実に「子育ては自己実現の障害となる」という意識の女性が増えているのではないでしょうか。このような価値観を変えていくためにも、子育て支援を強力に推し進め、仕事と子育ての両立が可能な社会に変えていく必要がありますね。
 大家族の時代には、子育ての上で祖父母が大きな役割を担ってくれましたが、核家族化でそのような支援が得がたくなった現状では、専業主婦でも子育ての負担は相当なものです。ましてや働きながらの子育ては極限の努力が強いられます。育児に伴う経済的、精神的、肉体的な負担を軽減する工夫が必要です。

高橋:私の経験でも、子どもが小さいうちは、子育てから解放されてホッと一息つけるのは、実家に帰った時ぐらいでした。確かに親の手助けの影響は大きいと思います。

三上:そのような支援を民間サービスに頼ると経済的負担が増加します。子育て支援は拡充されつつありますが、まだ十分とは言えません。例えば児童手当制度を少子化対策先進国のヨーロッパ各国と比較してみますと、日本では第一子、第二子に対する支給月額は五千円ですが、イギリス、スウェーデンは一万四千円、フランスは第二子から一万六千円、ドイツは二万一千円です。支給年齢も日本は小学校三年生までですが、ヨーロッパの大半の国は十六歳または十八歳までと、相当開きがあります。

高橋:子どもの教育費の面ではどうなっていますか。

三上:内閣府が調査した結果がありますが、日本の年間教育支出は百五万二千円でアメリカと同水準、スウェーデンの七十五万四千円の一・四倍、ドイツ、フランスの約二倍になっています。問題は教育費の公費負担率で、アメリカで約七七%、ドイツ、フランスでは八〇〜九〇%、スウェーデンは九七%になっています。これに対して、日本は六六%と欧米各国に比べて教育費の個人負担が大きい状況が見て取れます。

高橋:ヨーロッパに比較すると、日本は実際に養育でも教育でも経済負担が大きいということですね。

三上:さらに、経済的な負担感だけではなく「子育ては報われない」「子育ては損」という感覚と言うか、今の社会・教育環境の中では、一生懸命育てようとしてもちゃんと育ってくれないのではないかという不安感が増大しているように思います。そして、そのため、子育てを通じた精神的な充実感や幸福感、さらには親自身の人間的な成長といった、子育てが本来持っていた意義が見失われつつあることが最大の問題だと思います。

高橋:子育ての苦労も感動も経験した一人の母親として、非常に良くわかります。子どもを生み育てることは、女性の最も重要な役割であり、誰かが肩代わりできるものではないと思うのですが。

三上:私自身も伝統的な家族観や道徳観は重んじるべきと考えています。しかし、今、日本の社会全体は性的な役割分業を否定し、男女共同参画社会を目指していますので、女性が不当に差別されることは絶対なくしていかなければなりません。

住民みんなが教師となる地域ぐるみでの教育

高橋:子育てに関係することですが、昨今の親殺し、子殺しのニュースを見るにつけ、親子の絆や道徳観・倫理観が薄れているような気がしてなりません。

三上:確かにこの十年ほどの間に刑法犯発生率が急激に上昇しているというデータがあります。また、公衆道徳の悪化、フリーターやニートの増加など勤労に対する意識の変化も表れています。これらはすべて教育の問題というひとことに尽きます。
 私はかねてから『教育は国家百年の大計である』と主張してきましたが、道徳観や倫理観を含め価値観は教育によって培われるものであり、戦後の権利教育・個人主義教育によってゆがめられた価値観は、根本的に教育から変えていかなければなりません。

高橋:戦後教育の結果として、今の状況があるということですか。

三上:戦後六十年を経過し、個人主義的な価値観に重きを置く戦後教育しか知らない世代が、社会の中心を占めるに至ったのが今日の状況です。分かりやすく言えば、現在の若者の価値観は、実は彼等を教育した教育者や、彼らが背中を見続けてきた大人たちの価値観でもあるわけです。

高橋:戦後教育というのは、どこがいけなかったのでしょう。

三上:戦後教育の二つの大きな過ちは、社会や家庭が教育を学校現場だけに任せて役割を放棄してしまったことと、過度に権利教育・個人主義教育に偏り、道徳教育や倫理教育が置き去りになってしまったことです。これからの教育は、学校による『教え』から社会全体での『育み』へと転換し、国や郷土を愛し正義感を育む教育を推進し、住民みんなが教師となり地域全体が教育現場となる教育社会の実現を目指すべきです。


福祉・医療・介護システムを確立、生きがいと思いやり社会の創造

高橋:予定の時間ですので最後の質問ですが、どうすればお年よりが幸せに暮らせる社会ができますか。

三上:充実した福祉・医療・介護システムを確立することが第一です。年金や医療保険も将来的に持続可能な制度へと改正されつつありますが、まだまだ見直しが必要です。最近増えている保険料の未納問題に対する具体的な対策も必要です。

高橋:未納といえば、社会保険庁による二十二万件もの不正免除もありましたね。

三上:はい。その背景にあるのは収納率が六割前後まで落ち込んでいる保険料の未納問題です。ご存じのとおり国民年金は二十五年以上保険料を納め続けなければ受給できないことになっています。ですから、保険料滞納であれ不正免除であれ、いずれ年金が受給できなくなったり、受取年金額が減額されたりという結果となって返ってきます。このため、年金以外に収入のないお年よりの場合、生活保護に頼らざるを得なくなります。
 一方、この年金未納が放置され続ければ、真面目に保険料を払っている人たちの納付意欲にも悪影響を及ぼしかねません。平成十七年度の徴収不能額は一兆四百四十二億円にも上っています。これは、民間企業であればとっくに倒産している状態ですので、やはり抜本的な改革を図るべき時期が来ていると思います。

高橋:確かに、払った分の掛金が戻らないのではという不安の声をよく耳にします。

三上:私は抜本的に年金の保険料方式を税として徴収する方式に切り替えるべきであると考えています。それにより未納問題に決着を付けることができますし、不公平感を払拭することにもつながります。今後の消費税議論と合わせて、本気で見直しを検討すべきです。
 また、ぜひ言っておきたいのは、お年よりを単に面倒をみる対象とすることは大きな間違いだということです。お年よりの生きがいを考える場合、「自助・共助・公助」という三つのキーワードが重要です。まず、自分の暮らし方を自分で決め、可能な限り自分自身で生活するということ。そして、社会の中でお互い助け合いながら共に生きるということ。どうしても自助や共助で対応できないところには、公共の手助けがあること。それが他人や社会の役に立っているというお年よりの自信や生きがいにもつながるのではないでしょうか。そういう意味からも、安易に生活保護に頼らざるを得ないお年よりを増やすようなやり方は間違いです。

高橋:福祉イコール公助ではないということですね。

三上:教育の話にも関係がありますが、私は、自分を育ててくれた親の恩に報いるために、親孝行をするのは当たり前だと教えられて育ちました。福祉イコール公助、つまり年老いた親の面倒を見る責任は国にあるという考え方が、常識としてまかり通る社会は絶対におかしいと思います。
 また、お年よりに限らず、厳しい経済環境下にある北海道では、就労の機会があることが最大の福祉政策といっても過言ではありません。定職に就けない若者たちが増える中では、晩婚化や非婚化が進むのも当然ですし、社会を支えるべき世代が就労できなければ、支え合いを基本とした社会が成り立たなくなります。ですから、足腰の強い経済を築き安定的な雇用を確保することは、すべての人が生きがいをもって元気に暮らせる社会を実現する上で最も基本的なことです。

高橋:福祉や教育のお話をうかがうと、私たち市民も無関心でいてはいけないことがよく分かりました。しかし、政治の仕事は本当に大変ですね。

三上:確かに特効薬はありませんし、効果が出るまでに時間がかかることも多く、根気のいる仕事だと思います。しかし、誰かがやらなければならないわけですから、私は政治生命を懸けて取り組んでいく決意です。

高橋:今日はどうもありがとうございました。三上さんはほかにも環境問題やエネルギー問題など、多様なテーマについて研究されているとお聞きしています。また改めてお話を聞かせてください。これからも応援しますので、ぜひ頑張ってください。

三上:ありがとうございました。全力で頑張ります。


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